歯周病治療の選択肢と予防法|進行度に応じた適切なケアとは?

歯周病とは、細菌感染により引き起こされ、歯の周りの歯ぐき(歯肉)が腫れ、歯を支えている骨が溶けていく病気です。ある程度進行するまでは、日々の歯ブラシ時に軽く出血する程度で自覚症状が少ないことが多いです。歯周病が進行すると、噛むと違和感があったり、歯ぐきが腫れて膿んできたり、歯が揺れてくるなどの症状が現れます。こうした症状を自覚してから来院される方の多くは、歯周病がかなり進行していることが多いです。
歯周病の進行目安として、「歯周ポケット」という数値があります。健康な歯ぐきの場合、歯周ポケットは2~3mmですが、初期から中等度の歯周病では4mm以上、さらに進行すると6mm以上のポケットができることがあります。ただし、1本の歯に限局的に深いポケットがある場合は、歯根破折などの歯周病とは別の要因で形成されている可能性もあります。
歯周ポケットが6mm以上進行している場合、支えている骨が溶けていることがほとんどです。そのまま放置しておくと、歯周病原因菌は空気を嫌う嫌気性菌の特性から、深いポケット内で増殖し、骨の破壊が進みます。
歯周ポケットが進行しないように定期的にチェックすることが最も重要ですが、進行してしまった場合、どのような治療方法があるかをご説明します。
歯周病の治療方法
1. 日々のケア
まずは、しっかりとした歯ブラシ習慣を身につけることが重要です。また、歯間ブラシやデンタルフロスを使用することで、プラークの除去効果が向上します。これらをおろそかにすると、歯周病治療を行っても十分な効果が得られません。
2. バイオフィルムの除去
歯周病原因菌の温床であるバイオフィルムを徹底的に除去することが必要です。藤尾歯科医院では、数回に分けて歯石の除去を行います。深いポケットが多くある場合は、麻酔を使用し、数ブロックに分けて処置を行います。また、適切なブラッシング指導も実施し、歯肉の反応を確認しながら治療を進めます。一通りの初期治療が終わった後、歯周ポケットを再評価します。
藤尾歯科医院では、深いポケットが残った場合、治療方法を説明し、相談しながら決めていきます。

治療の選択肢
1. 定期的な洗浄
深いポケットがあるからといって、すべての歯がダメになるわけではありません。患者様が積極的な治療を希望されない場合や、思うような治療成果が得られない場合には、1~2か月に一度ご来院いただき、定期的に深いポケットの洗浄を行います。
2. 歯周外科
通常の歯石除去では取りきれなかった歯石や、歯ぐきの中に隠れている歯石に対して、歯ぐきを開いて直視しながら歯石除去を行います。また、再発しにくいように骨の形態を修正する目的で削ることもあります。
3. 歯周組織再生療法(保険外診療)
歯周外科と同時に、骨補填剤やエムドゲインなどの歯周組織再生材料、メンブレンを使用し、失われた骨の再生を目指します。
4. ブルーラジカル(保険外診療)
最近認可された新しい歯周病治療機器です。歯周病原因菌をヒドロキシルラジカルという物質を用いて殺菌する治療方法で、これまで歯周外科が必要だった6mm以上の歯周ポケットに対しても、非外科的処置での改善が見込めます。
歯周病治療は早めの対策が鍵!健康な歯を守るために
歯周病は自覚症状が少ないまま進行し、放置すると歯を支える骨が溶け、最終的には歯を失うリスクが高まります。しかし、適切なセルフケアと歯科医院での定期的なチェックにより、進行を抑えたり、改善することが可能です。藤尾歯科医院では、患者様一人ひとりの状態に合わせた治療プランを提案し、日々のブラッシング指導から高度な歯周外科、最新のブルーラジカル治療まで幅広い選択肢を提供しています。早めの診断と適切なケアが、将来の健康な口腔環境を守る鍵となります。歯ぐきの違和感や歯周病が気になる方は、ぜひお早めにご相談ください。